『解毒』の成果?!フェイズⅡジュニアバンド結成があなどれない!
フェイズⅡジュニアが結成されて、初めてのパノラマ予選に行ってきました。
フェイズⅡにジュニアができるなんて…、ひと昔前まで冗談のネタになるようなハナシだった。フェイズⅡなんてヤードで昼間でもガンジャ巻いてるおじさんがいるほど、子供が近寄ったらダメっぽい場所だったのに。
おととし、ブグジーさんが治療して、その前にスポンサーがハデコになって、ヤードがめっちゃキレイになって、フェイズⅡは急速に、確実に『解毒』している。
その行き着く先が”ジュニアバンド”なのかもしれない。”キッズフレンドリー”の基準をクリアするためには相当クリーンじゃなきゃいけないから。
フェイズⅡがジュニアバンドなんてやってもグダグダになっちゃてるんじゃないかなって思って観に来たけど、もうぜんぜん以前とは違うんだってことを実感、
コワいくらい仕上がってるしまとまってる(>_<)
どこから集めてきたのかわからないけど(パン2000の社長さんの息子や他のメンバーの子供やお孫さんも含め)、いいメンバーが揃ってるし、その子供をまとめてドリルマスターをしてるのは、ナショナルスティールオーケストラやいろんなところで活躍しているアクアさん、いい人材が揃って、ともすると大人よりしっかりしてそう(>_<)
昨日の予選の結果は、オールスターズジュニアの3位に迫る、4位でした。
始めてパノラマに参加するバンドがこんな高順位なんて、脅威でしかない!
パノラマ下克上の波が、ジュニアにも押し寄せているようです。
レネゲイヅmeetsベートーヴェン!
BPTTがレネゲイヅのスポンサーになってから50周年を記念するイベントに行ってきました。
50周年???レネゲイヅのスポンサーって昔はアモコやったやん…って一瞬思いましたが、ググってみるとアメリカの会社のアモコはイギリスのBPとグループ会社のようです。
イベントっていうかセレモニーだったので、最初の30分はショートフィルムの上映とBPトリニダード・トバゴの代表の方など3人によるスピーチ、そのあとに、レネゲイヅのヨーロッパ遠征チームによるクラシックの演奏という内容でした。
ご招待客は地元のレネゲイヅサポーターのご年配なかんじの方々と、BPトリニダード・トバゴの関係者で埋め尽くされていました。
わたしはBPともレネゲイヅとも何の関係もないしご招待もされてなかったのですが、ご招待されていない希望者も1人2枚までだったら招待券が配布される…しかも無料で!っていう大盤振る舞いだったので、配布日当日の朝、ウォーキングの帰りにクイーンズホールのチケットブースまで受け取りに行きました。
コンサートは、2月にフランスで行わているラフォルジュネ用のセットで10曲くらい。レネゲイヅはこのフランスのクラシックイベントに何年も連続で毎年出演しています。
お祝いのスピーチにもありましたが、レネゲイヅはワールドクラスのスティールバンドでもあるんです。しかも、それを何年も続けてる。
今年、その17人くらいのメンバーに、パンチューナーで、わたしがめちゃめちゃお世話になっているアンディ・ニールズの長男、ミカエルが選ばれました!!わーい!!
お父さんのアンディも、かつてはレネゲイヅのメンバーとして世界をツアーしてまわっていました。
昨夜、わたしはコンサートホールの前から5列めくらいのど真ん中、ど真ん前で観てたので、
PAを通さない美しいパンの音色に酔いしれながらも、
たまにニヤニヤしたりフラフラしたりするミカエルが気になって内心ヒヤヒヤ…
ビシっとせいよ!ミカエル!!!
ミカエルが、日本の”目覚ましテレビ”に出演した小学生くらいの頃からずーっと成長を観てきてるので、親戚のおばちゃんみたいな気持ちになってしまいました(^_^;)
フェイスブックで中継があったようなので、いつまで観れるかわからないけど貼っておきます。2列目の向かって左、チェロの前のセコンドを叩いているのがミカエルです。
ラフォルジュネ用のセットなので、”クラシックコンサート”と言ってもそこまで堅苦しくなく、エリーゼのために…とか、第九とか、メジャーな親しみやすい曲ばかりが選曲されていて、
もちろん、演奏は洗練されていて(真ん前で生音聴いてたこともあって)ありえないくらい素晴らしかったのですが、
コンサート中に赤ちゃんが泣き叫んだり、曲中におじさんが咳をしたり(>_<)、曲が終わってからの拍手のタイミングもめっちゃ早で余韻とかなかったし、後ろのおばさんは演奏に合わせて歌いだすし(^_^;)
主催者側が意図したかどうかは不明ですが…
ラフォルジュネの赤ちゃん参加OKのコンサートくらいの、
地元に芸術を還元することを目的とした、けっこう気さくなノリのコンサートになりました。
でも、日本でこれ観たらチケット代ってどんくらいなんだろう…???
そもそもこれほどの編成でラフォルジュネジャパンにレネゲイヅが参加したのは何年前???
日本では体験できなくなった貴重な経験に酔いしれた、贅沢な夜になりました。
(練習サボったかいがありました…笑)
スモールバンドにチャンスがキタ!アーリーパノラマ2020
スモールバンドがめちゃくちゃアツかった。
パノラマの日程が大幅に変更になって、シングルパンは11月に、スモールは1月に前倒しになって、ラージバンドの練習が本格的に始まる前にファイナルを迎える日程に変更になったことが大きく影響して、
各バンド、ラージバンドで活躍している強力なメンバーを揃えてきて、更に、既存のバンドだと既存メンバーを差し置いて新体制を作りにくいことから、最近、ほとどんど活動していなかったような名前だけのチームに、新しいスポンサーや新しいアレンジャーを迎えて、
いくつものバンドが少人数精鋭の実質にわかバンドを立ち上げて、パノラマで勝つための革新的なアイディアをそれぞれがぶちかましにキタ、今までまったく観たことのないスモールバンドのパノラマになりました。
だから、今までも素晴らしかった既存のスモールバンド、ゴールデンハンズ、ラホケタ、去年革命を起こしたディフェンスフォースまでもが、今までと同じくらい素晴らしいんだけど、今までと同じだったから、にわかバンドやトバゴバンドに比べるとすごく聴き劣りしてしまう印象でした。
日程を前倒しにすることによって、全体的にヴァージョンアップすることに成功したのです。
この状況がずっと続くなら、スモールバンドはラージやミディアムの影でひっそりかわいく行われるような大会では、もうなくなっていくんじゃないかと思います。
去年、ディフェンスフォースだけが、スモールバンドとは思えないようなど迫力の重低音を編成を工夫することによって作り上げることに成功したのを、
今年は、他のバンドも真似して中低音のパートを増やし(その分フロントラインの人数は減るけれどもパワープレイヤーを入れて補って)や音圧重視の編成に変えてきていました。パンだけでなく、スラップベースや、↑の写真にあるようなインド系の大太鼓を幾つもならべてブンバンっ、ブンバンっ、ってい、生で聴かないと伝わらない圧倒的な音圧を作ることにそれぞれが果敢にチャレンジしている印象でした。
だから、音に迫力がなかったバンドが軒並みセミファイナルで敗退しています。
逆に、少人数精鋭だからこそ、
・微妙なテンポチェンジやスリリングなトリッキーフレーズも比較的まとまりやすい
・いい楽器を揃えてるかそうでないかの差がハッキリする
・ドリルができているかできていないかも誤魔化しが効かない
こういう今までにあったスモールバンドの特徴をも活かしつつ、
ラージっぽい音圧と、王者(デュボンスチワート)に立ち向かうカーニバルスピリットで会場をドッカーんと沸かせたトバゴのバンド、アップタウンファーシネーターズが、誰もが納得する圧巻の優勝となりました。
01- Uptown Fascinators Steel Orchestra - Small Bands Panorama Finals 2020
うん、今、↑の動画を見返しても、ぜんぶ入ってる、ラーメンの、小盛りだけどトッピングはぜんぶ乗せみたいな…、もう大満足すぎる。
他にも、わたしが注目したバンドのひとつ、↓アリマゴールデンシンフォニー。
このバンドはスモールファイナルの常連さんで、アレンジャーさんもシングルパンやスモールで活躍しているベテラン、テレンスBJマーシェルが手がけているんですが、
ファイナルのステージなのに、なぜか全員が私服!?衣装どうしたの???間に合わなかったの???
タイトルが『マッドネス』なので、なんかキテレツなことをしてくれてます。YouTubeの動画が見つけられなかったので、わたしがぺちゃくちゃ喋りながら生配信した映像を仮で↓貼り付けておくので、私服って逆に新しい!?って思わせる光景と、素晴らしくまとまった美しいサウンドのあとなのに、なぜか繰り広げられるどんちゃん騒ぎを、ぜひご覧ください。
もうひとつ、というか二つですが、ラージバンドのアレンジャーさんが手がけたバンドが、ほぼラージバンドのちっちゃい版と化していることにも注目しました。
(ラージバンドのアレンジャーさんが手がけているディフェンスフォースが、ちっちゃいレネゲイヅかというと、これはぜんぜん違うので例外とします)
ひとつは、ジェネシス。そしてハーバードハープス。
どちらも、わたしが知ってるのはパノラマに予選で敗退するような弱小バンドのイメージだけです。古くて、パンヤードと、楽器だけ残ってるけど、メンバーが高齢化してヴァイブスを失っているようなバンドがトリニダードには、すでにたくさんあります。(今はミディアムの強豪、シェザンドもかつてはそうでした)
どちらのバンドも、それぞれのアレンジャーさんがラージバンドでやってるのとおんなじテイストを半分以下の人数のスモールバンドで再現できています。
スモールバンドがみんなラージのコピーみたいになったら面白くないかもしれないけど、スモールバンドでラージみたいなのが観れたら、いろんな可能性が今後、生まれてくるんじゃないかと思います。
ハーバードハープスがファイナルのステージで観せた、精巧にできたガラス細工のような7分間は、今年のファイナルバンドの中で、いちばん美しい音でした。
ジェネシス、ハーバードハープス共に、わたしがセミファイナルのときに生配信した映像の後半に、ドラッグエリアのスタンバイの様子が映っています。
裏パノラマをリアルタイムでお届けしたい!をテーマに当日、生配信した動画のダイジェスト版でまとめた映像↓があるので、ぜひご覧ください。
人は成長していくし許すこともできるってこと
毎年恒例、ロザリー協会とオールスターズのコラボイベント(ちゃんとした礼拝ですが…)サンクスギビングで、
いつもとはちょっと違う、キーボード伴奏によりテナーソロの演奏がありました。
教会にパイプオルガンがあるのを見たことがないトリニダード・トバゴでは、たまに見かける光景ではあるのですが、オールスターズのサンクスギビングで見るのは初めてです。
テナー:オバタリ→パノラマではダブルテナー
キーボード:アキール(ジョージ)→パノラマではダブルセコンド
なのですが、基本的に彼らはなんでもできる気がします。パンだけじゃなくてドラムとかも…
彼らは、中学生くらいのときに、他のセントマーガレッツの生徒たち10人くらいといっしょにオールスターズに入ってきて、
今、思ったら突出して才能はあったかもしれないけど、去年、大学の音楽専攻を卒業して、ミュージシャンになるなんてことは思ってもみなかったことです。
オバタリは、最初に見たとき動きが人間離れしてたので、まじで猿だと思ってた。
めちゃめちゃやんちゃしてて、高校生くらいのときに問題を起こしてオールスターズを2年くらい出禁になってしまったこともあったのに、
これだけ才能があったら他のバンドに移籍することも出来たと思うけど、
ちゃんとオールスターズに戻って来て、オールスターズもそれを受け入れて、
バンドを代表して、こんな重要な地域のイベントで、しかもソロで演奏するなんて、
ほんとに、成長したなー、
オールスターズはいい人材を育ててるなーって思うと、とても感慨深いです。
オバタリは、去年、インディペンデンスディ(トリニダード・トバゴの独立記念日)の広報ビデオに、俳優として出演しています。けっこう主役級です。
My Home - Mark Loquan (Official Video)
昨日までのお札が紙切れになる日
トリニダード・トバゴの最高額紙幣である100ドル札が新しくなりました。
もしかしたら地元のヒトは知ってたのかもしれないけど、わたしにとっては寝耳に水。
最高額紙幣って言っても1600円くらいの価値しかないんです。そこ刷新するより1000TTドル作ったほうが良くない?って思ったけど、トリニにもあっと言う間にキャッシュレスの時代がやってくるんだろうなーと思うから、やっぱりいらない。
お札が新しくなるだけだったらむしろ歓迎!…だったんだけど、
去年の12月のはじめくらいにリリースされて、しかも『年末までに新札に交換しないと、旧札は使えなくなります』っていうことらしい。
なーにー!!!??? なんなん?政府がする国家の一大事なことが1ヶ月未満しかないってどうゆうことなん???なにをそんなに慌てる必要が(たぶん裏社会的にあるんだろうけど…)あるんだろうか???
テレビのニュースとかでよく、昨日までは価値があったお札や口座の残高なんかが、一夜にしてなんの価値もない紙切れに変わるとか、…タラレバみたいなハナシで聞いたことはあったけど、まさか!じぶんの人生にそんなことが起こるとは思ってもみなかった…
あわてて自分のパスポートケースに残ってる100TTドル札の枚数を確認すると…、いつもは日本円で1万円以上は残ってるけど…、去年はなぜか4枚しか残ってなかった。
あー、そんなたいした金額ちゃうかー、よかったー、
…って、
よかったん?
よくない。
金返せー(>_<)トリニダードあんどトバゴぉーーーーーー
そうこうしているうちに続報が入って、
『もし12月31日までにトリニダード・トバゴにいなかったことを証明できれば、年明け3ヶ月間は新しいお札に交換してもらえる!』かもしれない!?とのことなので、
インディペンデンススクエアのツインタワーにある、トリニダード・トバゴの中央銀行まで行ってまいりました。ここは日本の、日銀みたいなとこなのかな?
ふつうの銀行での受付はすべて終了しているので、たぶん全国から100ドル札を交換したい人たちが押し寄せているんだと思います。ビル入口の外にまで、すでに人がたかっていて、案内の強面のおじさんたち(銀行員かな?)が、手続き用紙を配ったり、交換に必要なものを持参してきているか、ひとりひとりに確認して回ったりしていました。
必要なものは
- 交換希望の旧100TTドル札
- ID(身元が確認できるパスポートなど)
- 12月31日までにトリニダード・トバゴにいなかったことを証明できる書類
わたしが持参したのは、パスポートとE-Ticketを発行するときにプリントアウトする旅程表です。 旅程表は日本語版だったけど、問題なかったようです。
窓口だけでは対応しきれないのか、待合席にまで黒スーツのお姉さんたちが来て、ひとりひとり申し込み表に不備がないかをチェックしてくれます。チェックが終わるとビジター用の名札を渡されて2階へ。そこにチケットブースみたいな銀行の窓口的なものがあって、ようやく現金を交換!ここまでだいたい30分くらいはかかったと思います。
パスポートはもちろん見せるだけだったのですが、旅程表はわたしに何の断りもなく!『回収』!!されてしまいました。えー、わたしソレ、帰りの飛行機でも必要なんですけど(>_<) コピー取って現物返してくれるとか、回収しますけどいいですか?とかなんかひと言くらい 言ってくれてもいいやんっ、、、
まー、でも、それ以外は、ここはほんまにトリニダード・トバゴかな?って思うくらい、親切で丁寧で、そこまでぐだぐだ待たされてる感もなくみなさんキビキビと動いていて、逆に日本で良くあるお役所シゴトみたいな感じでもなく、たいへん好印象を持ちました。やればできるコ、トリニダード・トバゴです。これくらいの接客マナーがスタンダードになってくれたら精神的に楽なのになー…
なによりも、お札が紙切れにならなくてよかったーーーー♡
ようやく交換できた新しいトリニダード・トバゴの100TTドル、デザインのコンセプトは前のまんまで、変わったとこといえば、材質と、プラスチック札によくある透明の窓があるのと、トリニの人が大好きな『国旗』がカラーでデザインにプラスされたことくらいかな。ツルツル素材でめちゃ薄いのでお財布に入れてもそんなにかさばらなくなったのが嬉しいです。
50TTドル札はすでにこの材質なので、
次は、スティールパンがデザインされている20TTドル札も、
このツルツル素材になるといいのになーと思いました。
パン、ローカライズ!&パンカニ孝
パンカニ、観に行くだけじゃなくて、急遽ステージで演奏までさせてもらえて、
須磨海岸ありがとーーーーーーーーーーーーー!!!
って気持ちを共有できて、
ほんとに光栄でした。
なにが光栄って、わたしのアレンジした曲を2曲も演奏してもらえて、わたしはパンをはじめた頃から目標は『アレンジャーになりたい』、このひとつだけ!だったので、
その目標がいつのまにかかなってて、バンドを辞めた今でもアレンジャーっていう立場がまだわたしに残ってくれていることに、救われる思いです。
パンドルのキャプテンはステージで、曲のこととかほぼ語ってくれなかった(^_^;)のにも関わらず…(二ノ宮千紘さんのアレンジした”アイランド”含め、だいじょうぶか?もっと聴く人にわかりやすく解説しとくことあるやろ??と内心ヒヤヒヤしましたが…)
パンドルの出番が終わってから、知ってる人や知らない人や久しぶりにお話しする方々からも、アレンジがすごい!アレンジが面白い!!インパクトあった!!!というお褒めのお言葉をたくさん頂いて、
なんや伝わってるんや〜って、演奏だけで伝わってるってスゴいなーって、ほんとに、逆にオドロキました。
実は、パンカニ当日の朝になって、パンドルのメンバーから”よりリアルな阿波踊りに近づける”提案があってアレンジが変更になったり、わたしの希望通りではない構成で演奏しなくてはいけなくなったり、完全な完成形ではないちょっとバタバタな「ガンジス&ナイル」だったのですが、
新しいものが生まれる瞬間には、エネルギーがある。
演奏しながらそのパワーをひしひしと感じてたので、それが観客にも伝わったんだと思います。
パンカニのお客さんは、良くも悪くも一般客じゃなくて、パンやってる人、パンを知ってる人だから、わたしのやりたいことがなんのことか、ちゃんと理解できる人がたくさん集まっていたんだと思います。
いちばん面白いって思ったコメントが「ローカライズするって大切」っていう言葉。
パンドルは徳島のバンドだから、徳島に因んだ曲をやりたい。デビッドラダーの名曲「ガンジス&ナイル」と阿波踊りのためのダンスミュージック”よしこの”の名曲「吉野川』を”融合”させてほしい。って、依頼が来たのはもう3年くらい前で、
そんな無茶振り(>_<) …”川”つながりなだけやん、マジなにそれ??って思ったけど、
1.まったく違うリズムパターンを融合させるワンアイディアの発見!?
2.文化の盗用(cultural appropriation)…”やらかし”ちゃわないかの恐怖とのたたかい
3.イメージじゃないリアルな阿波踊り文化とよしこのの研究
っていう3つのステップを乗り越えて、ようやく出来上がった苦心の作。
(閃き重視でアレンジすることが多いからこんなに時間がかかったのは初めて)
それを、パッと聴いて、
これは、スティールパンで演奏する曲(ソフト面)をローカライズしてるロールモデルなんだ!って気づいてくださって、言語化していただけたのは、わたしにとってもうれしい気づきです。
スティールバンドで演奏する曲のアレンジは、地域にローカライズするだけじゃなく、個人とか、今この瞬間とか、演奏する側に焦点を当ててアレンジされていて、それがスリリングさを際立たせてる最大の魅力とも言えるので、
もしそのことに日本のパンが気づいていけば、もっと面白くて、パンカニも、パンフェスも、もっともっとエキサイティングで目が離せないものになると思います。
とは言え、
今年の出演バンドで、なにそれつまんねー…みたいなバンドってほんと減ったなーって思います。とくに今年はそれぞれのバンドが、ガッツリ聴かせる系の曲を用意して聴きごたえがありました。叩き終えたみなさん、それぞれのバンドの”やりきったーっ”ていうドヤ顏が印象的でした。
そして、午前中のアスタ新長田スティールパン振興会のスクール生の演奏も、往年のブラッドリーの名アレンジ!を演奏してたり、エンジンルームクラスの演奏も、多少日本人っぽいモッチャリさを拭い去れずにいるながらも、かなりトリニのリズムセクションに迫ってきて、これも去年よりぜんぜん聴き応えがありました。(来年はトランペットを入れて更にトリニっぽくショウアップしてほしーです)
出演者も参加者も、ある程度パンカニでどうアプローチするか、パンカニをどう乗り切るか、パンカニをどう楽しむかに慣れてきて、プロデューサーみたいなヒトが方向性を決めなくても勝手に方向性が決まってくる、それが今のパンカニの良いところでもあると思います。
ただ、このまま内向きなイベントのままなのはもったいないって思います。
一般向けの事前の情報発信は去年よりは改善されてるようですが、まだまだ一般のフェスとか注意事項が必要な長時間イベントに比べたら足りなすぎる気もします。
須磨海浜公園が改修工事に入るので、
来年の会場は、あの鉄人28号前の広場に決定しているそうで、
生まれ変わるチャンスを迎えた来年のパンカニが、どんなふうになってしまうのか?!
楽しみにでもあり、不安でもあり、ピクニックできなくなっちゃう寂しさも…、
イベントが終わる頃にはみんな”パン友”!みたいなこの伝統だけは、守り続けてほしいなーって思います。
イマイチな文化交流に終わらないために…その6.
UTT PAN PHOENIX IN KINTETSUNARA
今回のイベントでは、日本人側がなるべく英語で喋っていただけでなく、
トリニダード・トバゴから来たUTTパンフェニックスも、
曲紹介やメンバー紹介はすべて日本語で行っていました。
UTTの先生、ミアさんは学生時代2年間も外国語として日本語を学んでいたそうです。(知らなかった〜)
だから、なんかわけのわからない呪文を言わされてるかんじじゃなくて、
日本語学習者のビギナーさんが、いっしょうけんめい喋ってるかんじでとても好感がもてるのでした。(これは日本人ウケする、日本のテレビを観てても日本語を話す外国人だらけだし…)
選曲も、テレビを観てるようなごく一般的な世代に向けて、日本の歌謡曲や懐メロも含めたふんわりした選曲が多かったように思います。
いちばん印象に残ったのが↑この曲、いかにも大学の課題っぽい曲ではあるのですが、
冒頭1分くらいの圧巻の魅惑のソロでギューっと引きつけておいてからーの、
途中、コミカルなかんじで観客を巻き込んでリズム遊びをする、
そのギャップが面白かったし、
わたしたちはクラシックがカリビアン風のエンターテイメントで少しコミカルに演出されるカリビアンマジック的なアプローチに、多感な頃に衝撃を受けてスティールパンを始めているし、最近飢えてるし(笑)、なんかなつかしーってギュっと心を鷲掴みにされちゃうし、
なによりも、彼らの、音楽を届けよう、音楽でコミュニケーションを取ろうっていう、
その素晴らしいコミュニケーションに対する姿勢に、心を打たれずにはいられませんでした。
彼らの活躍は大手新聞でも取り上げられ↑ トリニダード・トバゴのスティールパン=クリーンな好印象として、記憶に残すことができたんじゃないかと思います。
(じつはいろいろあるけどキッパリ切り離せてるところがUTTの学生としての強み…)
この近鉄駅前のステージでも、多くの外国人観光客が足を止めて彼らの演奏に魅了されていました。
日本人でもかつて、ニューヨークの地下鉄で、はじめてスティールパンの演奏を観たり聴いたりしたことがきっかけでパンをはじめる人が少なからずいたので、
もしかしたら将来、アジアのどこかで何かが生まれるかもしれない、そのキッカケを作れたかもしれないと思うと、
彼らの来日による波紋は、来年のオリンピック/パラリンピックに、そして未来に、アジアへと無限に広がっていくかもしれないなと感じました。
たった1週間ほどの来日でしたが、大活躍の彼らに心からの賞賛をおくりたいと思います。
来てくれてありがとーーー♡