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サンフェルナンド珍道中



1日お泊まりでサンフェルナンドに行ってきました。サンフェルナンドはトリニダード南部の街で、何度も行ったことあるのでぜんぜん大丈夫だと思っていたのですが、とんだ珍道中になってしまいました。。。



今回わたしが選んだのは、ウォータータクシーというフェリーで行く方法です。POSから45分間、優雅な船旅でサンドまで行けるらしく、去年公共のバスに乗って2時間くらいかかってエラいめにあったので、今回はコレを試してみることにしました。ちなみにふつーにタクシーやクルマで行くと1時間くらいです。



こんなかんじ↑の船です。船内は飛行機っぽっくめっちゃキレイで快適だったのですが、

トリニダード交通機関はマキシもタクシーも公共バスも、どれに乗っても音楽がガンガンなんです、ウルさいってもんじゃない音量で流れてるのがふつー、それなのに…

ウォータータクシーの船内は、しーーーーーーーん。

飛行場やらリラクゼーションスペースなんかで流れてるような心地よい静かな音楽もありません。

まず、それに逆びっくり。

あまりにも静かで快適で、けっこう疲れもたまってたせいもあって爆睡してしまい、記憶10分以内くらいでサンフェルナンドに到着してしまいました。

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船着場から今回の目的地であるフォンクリアのパンヤードまでの行き方を警備してるおじさんに聞きました。

すると、まずはじめに、船着場の入り口のタクシー乗り場から”らいぶりこーなー”まで行って、

そこで乗り換えて”ぷりずんべる”行きのタクシーに乗ればドッティンストリートまで行けるとのこと。

言われた通りにドライバーさんに伝えて、到着してみるとそこは”らいぶり”じゃなくて”ライブラリー”=図書館の角、だったのです。

でも、変に自分で調べてライブラリーコーナーって言ってても通じてなかったかも。”らいぶり”コーナーでめっちゃすんなり伝わってたので、目からウロコ、これからはもっと地元の人っぽい発音に注目しなくちゃと思いました。






で、そこから直接ヤードに行ってれば問題なかったのですが、今から行くと早すぎるとのことで、先に、今日お泊まりする台湾のお友達のお家に行くことにしてタクシーに乗ったのですが、

降りたところからの行き方が良くわからず夜道をうろうろしていると、ラティーナのおじさんが話しかけてきて、じつは今日はフォンクリアのパンヤードに行くつもりなんだけど、と話しをすると、

パンヤードはここから遠いからクルマで連れてってあげるよ、

ここで、本来なら外国で知らない人のクルマなんかにぜったい乗っちゃいけないのですが、そんなことわたしもよくわかってるのですが、トリニのパンの世界ではよくあることなので、ついついお言葉に甘えてしまったんです。

そしたら、おじさんはフォンクリアの場所をよく知らないらしく道行く人に場所を聞きながら、あー、わかったわかった、なんて言いながら進みます。で、港まで来てるからなんかおかしーなーと思ってたら、そこはハッターズのパンヤードで、

いや、違うんです、フォンクリアに行きたい…

で、またまた道を聞きながら道を引き返し、次に着いたところはコーヒーストリートのスキッフル…、あの、ここだったら一人でも来れるのでーーー、

バンドの名前はなんだ?とかってあらためて聞かれるから、いや、最初っからフォンクリアに行きたいって言ってるやん(^_^;) で、コーヒーストリートを歩いてる通っぽいおばちゃんが詳しく道を教えてくれてようやくフォンクリアヤードに到着しました。

途中、ほんまにこのまま誘拐されるんちゃうかと冷や汗モノでした。

みなさんは真似しないようにご注意ください(^_^;)


ヤードに着いたらほとんどまだ誰もいなかったのですが、

すでにライミングしてたおじさんの一人に話しかけられて「ボスがおまえと話したいって言ってる」と言うのです。なにその言葉のチョイスとかコワモテやん…

ふと、指指すほうを見ると、杖をついたおじいさんが立っていました。オールスターズでわたしがいつも右翼って呼んでるマネージャーさんを5倍くらいコワくしたかんじの、似た系列のおじいさんです。

で、わたしは、わたしがフォンクリアに演奏したくて来たワケじゃなくて、ただ友達に会いに来ただけだと言っておかないと誤解されてどんどん変な方向に行ったら困るなって思って、

ご挨拶後に開口いちばんにそれを伝えました。

そしてセミファイナルのフォンクリアの演奏はほんとによかったと褒めちぎり…

するとボスが、写真撮ったか、見せてみろ、と言うので携帯で撮ったフォンクリアのステージでの写真を見せると、あー、そうだそうだ…、みたいになって、ようやく打ち解けたかなーと思ったら、

お前、プレイヤーか、どこで叩いてるんだ、って聞くから正直に答えたら案の定…(^_^;)

けちょんけちょんに言われました、まー、よくあることです。アンチオールスターズの人のほうがほんとは多いかもしれない。そして、6分しかないパノラマチューンなんて聞いたことないよ、(いや7分ありましたけど1分足りないのは確かです)そんなので勝てると思ってるのか、1位なんてどうかしてるぜ…

そうおっしゃるので、まー、それはほんとにその通りです。反論のしようがありませんでした(^_^;)

でも、今日はたくさん写真を撮って、おまえの過ごしたいように過ごしなさいと言っていただいて、まー、いちおう、このコワモテのおじいさん的にはすごく歓迎してくださっているんだと感じました。

そしてそんなこんなしながら、台湾のお友達も到着すると同時にこのバンドのアレンジャーであるケンプロフェッサーフィルモアも到着して、一気にピリっとした練習モードにヤードが切り替わります。

ケンPのリハーサルを見学するのはじつは初めてなんです。

これは!もう!!トリニダードで観るべきリハーサルの5本の指に入るかもしれない。面白い!!!

のっけからいきなりエモーショナルなんです。そして新しいパーツを自分でテナーを叩きながら各セクションに伝えて、

その響きを後ろ向いたり踊ったり、リズムに合わせて手足を動かしながら、んー、あー、とか言いながら微調整していくんです。

その姿はまさにスティールバンドの音像職人。

彫刻家のように音の響きを生のフルバンドの音を身体で感じながら削り取って行くような、

伝統工芸、匠の技が、自分の勘だけを頼りに巧妙な細工を作り出して行くような、

そんな、気迫を感じました。

そして、話も面白くて、みんなを巻き込んでいくんです。どうだい?いいだろ?とか言いながらとか、

ちがうんだ、もっとリラックスして、セクシーに、焦っちゃダメだ、こんなロマンチックなフレーズは他にないんだ、みたいに神に嘆願するようにプレイヤーに語りかけたり、

とにかくほんとに、こんなリハーサルは他ではなかなか観れません。

もしパンヤード巡りをするならぜひケンPバンドもリストに入れておくことをほんとにオススメしたいと思いました。

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そして台湾人プレイヤーのクラウディ、彼女のベースプレイもすごかった、スティールパンを作る、チューニングやビルディングの勉強もして普段はハンマーも握ってるのでほんまにパワフルです。

途中、スポンサーの偉い人の挨拶があったり、ケンPがファイナルに向けてアツく語るプチブリーフィングなどなどもあり、練習は盛りだくさんで、10時前から始まった練習は、夜中の2時くらいに終了しました。

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で、練習後そのままお家に帰らずに、お腹すいたーってことで、夜中もやってるサンフェルナンドのラーメン屋さん的スポットに直行(笑)、

真夜中3時くらいなのにけっこうガッツリ、わたしもちょっと味見だけ…と思ったらラムチョップが美味しすぎて肉食動物に変貌、

あー、これいちばんあかんパターンやん(>_<)と思いながらも普段体験できない真夜中のサンフェルナンドを堪能したのでした。

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その後、クラウディのキティちゃんにあふれるラブリーなお部屋で即寝。

朝、起きて、わたしをキュレップ行きのタクシー乗り場まで送ってくれるクルマが来るから待っててって言われて、

お迎えに来たのがなんと!!!!!!

ユニバーサルスタジオでジュラシックジャムのメンバーとしてテナーを叩いてたフランシスだったのです。

おー、世間は狭すぎるのかなんなのか、

トリニダードに来る直前の2003年の冬、ちょうどトリニ帰国するところだったフランシスにも相談していたわたしが、すでにもう12回めのトリニダードですよ、

お互いにぽっちゃりしてしまった脂肪を取り除いて当時の面影を思い出さなくちゃならないなんて、時の流れを実感させられずにはいられません(^_^;)

帰りは土曜日だったのでウォータータクシーはお休みです。ふつーに乗り合いタクシーに乗って、サンフェルナンドの煙突から炎がばんばん出てるかっこいい工場地帯を眺めながらお家に帰ってきました。

はじめてのサンフェルナンドお泊まりだけじゃない珍道中だった今回の小旅行、

トリニダードでもうずいぶんいろんなところに公共交通機関だけを使って行ってみたけど、まだまだ冒険できそうなところはいっぱいありそうですね(^_^)

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