こるりうちゅう

こるりん べるりん こるりうちゅう むちゅう♪ ばんちょう やおちょう すてぃーるぱん ピザぱん♪

異色の挑戦



バードソングの練習を観に行きました。バードソングのアレンジャーは世界にスティールパンミュージックを広めたソロプレイヤーのひとりであるアメリカ人のアンディナレルです。彼は、子供の頃にお父さんがお土産に買ってきたスティールパンがきっかけでアメリカにいながらにしてスティールパンが世界に広まる初期から演奏をはじめ、プロとして数々のスティールパンの名曲をこの世に送り出してきた伝説の人物。

今年バードソングがパノラマで演奏するのはウィカインダミュージックwe kninda musicとゆうアンディナレルの代表曲で、曲のタイトルは知らなくてもスティールパンをやってる人なら誰でも1度は耳にしたことあるような名曲中の名曲です。

でも彼はジャズやフュージョンをベースにしているので、この曲もぜんぜんカリプソやソカじゃない。パノラマで演奏される曲のほとんどはスティールパンのために作曲されたパンカイソや地元の歌謡曲であるソカやカリプソをパノラマチューンとしてアレンジしたものです。

今年、パノラマで演奏される曲のリストの中にこの曲のタイトルを見つけたとき、同じタイトルの曲があるけどまさかあの曲をパノラマでやらないよなー、別の曲かなーって思ったほどです。でも”あの”ウィカインダミュージックそのものをパノラマアレンジで演奏するらしい…、それは気になります!

とゆうことで…、オールスターズの練習がお休みの日曜日に、トリニダード11年めにして始めてバードソングのパンヤードまで足を運んでみました。



ヤードはトゥナプナとゆう西部の街にあります。イースタンメインロード(わたしは勝手にパンヤード街道と名付けてる道)沿いのバーガーキングを山側にちょこっとだけ歩いた分かりやすい場所です。バスルートからも離れていないので交通の便はいいなと思いました。ただエクソダスから近すぎて、ロケーション的にこのバンドを選ぶ人はいないだろうと感じました。エクソダスとは真逆の音楽志向なので、パワー路線じゃないものを選ぶメンバーがこのバンドに集まっているのかもしれません。

練習は5時から始まっていたので、わたしが到着した7時には今日やったところを仕上げている最中のようでした。ジャム前のちょっとややこしいところにメンバーは苦戦しているようです。

驚いたのはパノラマのリハーサルなのに譜面台を立ててる!ってゆうこと。半分以上のメンバーは譜面を見ながら演奏してるんです。パンのスタンドから譜面台がにょきっと出てる便利そうなスタンドさえ用意されていました。最近はトリニの他のバンドでも譜面を使うバンドが増えましたが、そのほとんどが、セクションリーダーが譜面を見ながら相変わらずトリニ式でメンバーに教えています。パノラマの練習以外の場所だと普通の光景が、ここではまったく普通には見えませんでした。

譜面はあるんだけど、メンバーはまだ曲を覚えきっていないようでした。まだまだこれから…(^_^;)来週に予選が迫ってるのに大丈夫かなって状況のようでしたが、

最初から通すことになって、あの聴き慣れたメロディが、ここトリニダードで、しかもスティールバンドの生演奏で、地元のちびっこから若者たちおじいちゃんおばあちゃんメンバー、フランスの名門スティールバンド"カリプソシアシオン"からお手伝いに来てる白人のパンギャルたち、そんなインターナショナルで老若男女なメンバーによる演奏で、しかもドラムを叩いてるのはスティールパンをやってるわたしたちにとってはスーパースターのアンディナレルその人そのもので、

それがわたしの手の届くこの目の前で、肩肘張らずに何気なぁく繰り広げられてることに圧倒されきってしまって、自然に胸が熱くなって涙が込み上げました。

もしかしたらパノラマの練習としては物足りないないかもしれないけれど、音楽は極めて上質です。音楽ホールでこの編成でこんなの聴けたら最高だろうな…

アレンジも、中頃から終盤にかけてすごいキュンっとしてワクワク踊りだしたくなっちゃうニクい仕掛けがあって、パノラマでこんなのするんだったらかなり新しい。

ラージバンドは数が少ないので予選で落ちることはありません。すべてのバンドがセミファイナルで演奏できるので、日本からもインターネットの中継やパンポッドで聴けると思います。

もちろんトリニダード入国ビザが免除されているので今からでもトリニダードに直接観に来れますよ!

わたしをこの日、練習に誘ってくれたフランス人のおばさんが「トゥナプナでたいへんなことが起きてるわよ、ぜひ観に来なさい!」ってキメ台詞のメッセージをくれていました。わたしも思います。ヤバい、こんなカリブの島の郊外にあるバーガーキングをちょっこっと曲がったとこで、すごい洗練された純度の高い音楽が生み出されようとしています!!

なんでこんなことをパノラマでやろうとしてるのかほんとに不思議です。いろんな意味でチャレンジングなバードソングに、日本からもぜひ注目してみてください。