こるりうちゅう

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その4:アンディニールズチューニングワークショプ 2012 番外編

さて、今回のアンディの来日でもうひとつ企画していたことがあります。それは『アンディニールズ、チューナー人生を語る!』トークショウ(笑)です。これは、今年の春に帰国してからたまたま見つけた昔のアンディのインタビュー記事(要約を翻訳したのがコチラ)を読んで面白かったのと、アメリカに渡りスティールパンアメリカに普及させる立役者となったレジェンド、クリフアレクシスさんがトリニダードの大学で行ったレクチャーに参加して衝撃を受けた経験が印象深くて、ぜひアンディにも語ってほしいなー(笑)と思ったからです。

そしてなんと通訳はわたしと、パンプルメンバーで英語の先生の免許を持ってはいるけどトリニ弁がなかなか聞き取れないリサと、二人で協力しあいながら、がんばって通訳してみました。

このワークショップに集まったメンバーは、チューニングワークショップのメンバーと、関西のスティールバンドのプレイヤー、そしてたまたまパンカニを観にきてたとゆう、ひとりでスティールパンを演奏してるヒトなどなど、新しい出会いもあって新たな交流も生まれました。

クリフさんの授業のときと同じように(パクリです(笑))参加者に簡単に自己紹介をぐるっとしていただき、最後にアンディの長い長い自己紹介的ロングストーリーのはじまりです。内容は↑のムービーや以前のWSTのときとほぼ同じなので割愛しますが、その流れに沿って印象に残るお話もいくつか聞けました。

アンディ少年は、ブルーダイアモンズとゆうスモールバンドとスクールパノラマのバンドに在籍したあとレネゲイヅに移るのですが、そのときすでにオールスターズは強豪バンドで人気もあり、友達はみんなオールスターズに行きたがったそうです。でも、アンディは、すでにジットサマルーのアレンジのミラクルさに気付いていて、その音楽スタイルがあんまりにもイケてたので、みんながオールスターズに移籍しても気にせずレネゲイヅに。アンディがレネゲイヅで演奏するようになって間もなく、あのレネゲイヅ黄金期がやって来たそうです。…そのあと、アンディがプレイヤーやチューナーとして参加したとたんに強くなったり優勝したバンドをツラツラと自慢コーナーに^_^; はいはい、そうですね、知ってるからもう…(笑)でもまー、アンディと話してていつも思うのが、ポジティヴヴァイブスをキープして、バカ正直に信じ続けることができるヒトだなぁと、そう思うのです。その自信がいつも彼の人生を切り拓く原動力になっているんだと思います。

高校を卒業したアンディは、スティールパンを職業にしようと思い、まずは調律を学ぶために職業訓練校のPDUに通います。プレイヤーで食べていけてるヒトは僅かしかいない、トリニダードではスティールパンが職業になるのはチューナーかアレンジャーかどちらかしかなかったからだそうです。けれど、その頃PDUで調律を学んでいたのは失業したイケてないおじさんばっかりだったそうで、アンディが初の若手の生徒だったそうです。生徒もイケてなければ先生もイケてないヒトだったそうで、そのときすでに活躍していた現役チューナーに教えてほしいと頼んでも、その頃はまだそれぞれのチューナーが独自に開発した技術は企業秘密でもあり、口先だけで、あー、わかった、教えてやるよ、と言ってはくれるけれど、ほんとに教えてくれるチューナーはいなかったそうです。アンディも今では母校のPDUの先生をしていますが、今は若い生徒もたくさんいるし、アンディはイケてて教えるのが大好きな先生なのだそうです。

そのあとアレンジャーの勉強をするためにMICとゆう学校に通い、わたしが最も影響を受けたクライヴブラッドリーの授業を受けたそうです。なんてうらやましいんでしょう!!!シングルパンバンドのアレンジャーをしながらチューナーのリンカーンに師事してチューニングを学び…、なんだかんだで現在は、世界じゅうから楽器の注文を受け、世界各地のスティールバンドを調律し、ナショナルスティールシンフォニーオーケストラ(政府が運営しているスティールバンド、日本だと宮内庁雅楽のバンドみたいなものかな…)でGパンの調律を担当するようになったとゆう…、サクセスストーリーですねぇ(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ

今はアンディが調律を担当するGパンですが、開発は別のチューナーさんが政府の仕事として携わったそうです。なぜ政府の仕事かと言うと、トリニダードスティールパン発祥の地であり、しかもパンは国家の楽器でもあるにもかかわらず、著作権をまったく取っていなかったそうです。トリニダードは石油ビジネスでもアメリカやイギリス資本に有利なようにしか運営できておらず、いかに自分たちの資源や文化を守り有利な利益を得るかがなにかと課題にもなっています。それで、ライセンス化されたスティールパンを作ろうとゆうことで開発されたのがこのGパン、ジャイアンスティールパンなのだそうです。ふつうのスティールパンよりふたまわりくらい大きな缶で作られており、テナー、セコンド、トリプルチェロ、6ベース、の4種類だけで構成されています。そして、これと同じスティールパンは、トリニダード政府の許可(たぶんお金…)がないと作ったり売ったりはできないそうです。そうゆうワケで残念ながらぜんぜん世界には普及してないのですが、信じられないくらい魅惑の音色で響きます。たしかほんとに10年くらい前にナショナルスティールは来日して一般公演をまったくせずに政府のイベントに出ただけで帰国したらしく、もし次に来日することがあったらぜーーーーーひ!一般公演の機会を設けてほしいです。日本のみなさんにもあの音色を生で聴いてほしい。あれは天国です、深い癒しの音色です。そんなスティールバンドの楽器の調律も、アンディが手掛けているそうです。うーん、たいしたおじさんじゃないか!アンディ!!!

ひと通りアンディが話しをしたあと、みんなの質問コーナーに。調律がピタッとできたらどんな気持ちですか?ってゆう質問に、たぶん10年以上前だったら\(^o^)/やったー!って気持ちだったろうけど、今はふつー(笑)なのだそうです。あとはアンディの子どもたちはお父さんの仕事をどう思ってますか?継いでくれそうですか?ってゆう質問に、残念ながら娘は4人ともぜんぜん興味ない(笑)らしく、息子のミカエルくんだけが作ることにもちょっと興味を持ちはじめてくれてるそうです(・∀・) …それは頼もしいね、アンディ!そして、トリニダードではどれくらいの年齢からスティールパンを演奏していますか?ってゆう一般的な質問からミカエルくんが参加しているエクソカブス(cub=ライオンの子どもの意味)とゆうエクソダスのジュニアバンドの話題にもなりました。

はじめは、わたしたちで通訳なんかできるんだろうか…、アンディの英語でわからなくなることないんだろうか…、アンディは人生を1時間以上喋ってくれるんだろうか…、とかいろいろ心配でしたが、あっとゆう間に気がついたら1時間半も経ってました!楽しい時間はあっとゆう間に過ぎるものです。アンディの英語に、え?ってなって聞き返したり、みんなに通訳する前に、あーそうなん?、へーすごいやん(・∀・)!とかわたしがついつい返事しちゃうことが何回もあり大反省…英語だけで完結しちゃって通訳失格^_^;すぎました。が、トリニダードに9年間通い続けたわたしの日本語での補足説明も加わって、参加していただいた方には、よりトリニダードやチューナーとゆう職業、そしてアンディニールズを身近に感じていただけたんじゃないかなって思います。

会がお開きになってもそのあとずーっとみんな喋ってたよね、アンディとも参加者どうしの交流も深まってほんとによい機会を持てました。ありがとうございます♪

いちばん上↑のムービーは、今年の来日の帰り道にアンディが寄ったニューヨークでのインタビューです。まったく真面目に応じているのですが…、着てるTシャツはファンタスティックスのメンバーの方がアンディにプレゼントした『新長田魂』!!( ̄▽ ̄) 真面目に答えれば答えてるほど笑けてしまうのでした。

…つづく、5回シリーズです。(たぶん)