こるりうちゅう

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その2:アンディニールズチューニングスクール2012

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ワークショップ当日、参加者の自己紹介を簡単に済ませ、アンディは教えることにも慣れた様子で、作業はさりげなぁく(笑)始まりました。あとで聞いたのですが、アンディはトリニダードでもPDUとゆう政府主催の職業訓練校で若い生徒たちにチューニングを教えているらしく、いつものとおりに日本でも授業を進めているという感じでした。そうか、わたしはトリニダード職業訓練校の先生とたまたま知り合いで、そんな超適任者を日本に呼んだんだ!そんなことに、ワークショップが始まってから気づいたのです。

アンディが日本に到着したとき、持って来てもらった道具の確認をしました。ハンマーは数種類持って来ていたのですがテンプレートがありません。ベース作るんだけど、わかってる?テンプレートは??忘れたの???ネットからダウンロードする???・・・何にも知らないわたしはちょっとした不足でもアンディに詰め寄ってしまいます。ノープロブレム、ベースはシンプルで簡単なんだ。と、アンディは余裕の表情です。

では、どうするか?その場にあったエクソダスの6ベースから型を取ると言うのです。もちろんこのベースはガッピーブラウン作の素晴らしいベースかもしれないけど配列もちょっと違うし、しかもこんなおでん屋が秘伝の出汁をつぎたしつぎたし・・・みたいな方法では、元々のおでんの出汁がなければどうするつもりだったんだろう?

そうゆうわけで今回は、このおでんのつぎたし方法で型を取ることになりました。ガッピーのベースは打面と打面のあいだを溝だけで区切っていて音が鳴らない隙間がないタイプです。打面を独立させるか、溝だけで区切るかに決まりはなく、それぞれの制作者の癖や好みなのだそうです。(←と、アンディはてきとーに答えてましたがきっと響く面が広いほうが音量や音色的にも有利。だけど隣の音同士の影響を抑えるためには少し打面を離して作ったほうが有利なんだと思います。)

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生徒さんがひとり1缶、責任を持って計り、ドラム缶にマーキングをしていきます。自分が担当するベースに、まずそれぞれの名前を書きました。そして、この段階になって、こるりー、20インチくらいの物差しがいる、って言い出すアンディ・・・。先に言ってください(>_<) そのあともあれやこれやと足りないものをお使いに行かされたのでなかなかヤードでの作業をずっと見ることはできなかったのですが、、、。それはさておき、この場にはそんな長い物差しはないので、プラスティックの30cmの物差しとドラムスティックで代用。いともてきとーな方法で、なるほどーと感心するほど功名に型がドラム缶のほうに移されていきます。物差しだけで打面に円を描いたり、道具はてきとーだけど身のこなしが器用です。ガッピーのベースは時計と反対周り?なので、打面のサイズは同じにして、目標とする日本でいちばん多く使われているだろうパンランド製と同じ時計回りに並べ変えていきます。

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一通り打面の型取りができたところで、いよいよシンキングです。ハンマーで打面を凹ませるのですが、ベースなので打面は叩かず、打面と打面のあいだおよび真ん中の円のところを中心に凹ませていきます。目標12cm。打面をつぶさないように打面と打面のあいだになるところはハンマーの角で凹ませていくなどなど、凹ませるだけでもいろんなコツがあるようです。そして振り下ろすだけでも最初は誰もうまくいきません。女の子がやってもぜんぜん凹まないし。それでも振り下ろす姿勢からマンツーマンで指導が入り、こうゆう感覚的なことはいくら本を読んでも学べない、直接指導してもらえることに価値があるなと思いました。

シンキング用のハンマーが人数分ないので交代でランチを取りながら休みなく作業をつづけ目標のサイズまでなんとかシンキングができました。最後、打面のカタチを整えるところはアンディがハンマーを入れます。アンディが叩くと魔法の杖のようにドラム缶がみるみる楽器のカタチになっていくのがほんとに不思議でした。カタチを整えたところで、釘のような道具を使って打面と打面のあいだに溝を掘っていきます。これがまた・・・わたしもちょっとだけやらせてもらったけど5cmくらい進めるのがやっとなくらいたいへん(>_<) だってドラム缶なんだもん、固くてなかなか溝が入りません。相当なコツとパワーが必要です。

と、そうこうしているうちに、じつは、ご近所から予想外に音が大きすぎると苦情が入ってしまいまったのです。ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません。あわやワークショップは続行さえ危ぶまれたのですが、大きい音のでるシンキング作業がほとんど終わっていたために、特別許可をいただいてその日1日は作業を続けてもよいことになりました。ご理解いただき本当にありがとうございます。それでもグルービング作業もだいぶ残っています。わたしはなんだかんだ買い出しに行かないといけなかったのですが、ワークショップ参加者の、今日中に騒音の出る作業は終わらせなければ!!!とゆう熱意と、危機を乗り越えてうまれたチームワークを発揮して、なんとか夜7時過ぎには作業を終えることができました。あー、ちゃんとベースのカタチになってる!!!すごい、感動です。

…つづく、5回シリーズです。(たぶん)

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写真いちばん下:突貫工事でなんとかファインチューン前までの作業を終え、ご満悦のアンディ先生。

写真いちばん上:もう打面を塗り終えてから撮ったものですが、最初は小学生の工作みたいに思えたみんなの名前も、出来上がりが近づくにつれて誇らしく感じるようになりました。