こるりうちゅう

こるりん べるりん こるりうちゅう むちゅう♪ ばんちょう やおちょう すてぃーるぱん ピザぱん♪

マイナスの時間軸

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音楽を、演奏できるヒトになるか、聴くだけのヒトになるかの違い、

そのポイントは、たったひとつしかないと思う。

音が鳴ってからその音に反応するか、音が鳴る前にその音に向かって反応できるか、

音が鳴ったところを0秒、

それを基準として、

マイナスの時間軸を意識して、

ぴったり0秒のところに焦点を合わせ、

0秒から逆算して身体を反応させることができるかどうか。

それはむずかしいことじゃなくて、

声を出す前に息を吸うことや、

ボールを投げる前に振りかぶることとか、

人間ならだれでも日常的にしていることと同じことなのだけれど、

みんなと合奏するとなると、できなくなるヒトが少なくない。

できるヒトには当たり前に、連続的に感じられる0地点より向こう側のマイナスの時間軸、

それが、音楽をタイミングよく演奏できない、いわゆるリズム音痴なヒトにとっては、

大きな0の壁のようなものを錯覚しているかのように見える。

でも、ほんとはそれは錯覚だから、

日常的にしていることをただ、楽器の演奏にも応用するだけのことだから、

その0地点の壁を超えられたとき、

その先のマイナスの時間軸に足を踏み入れたとき、

ようやくそのヒトは、音を受け取る側から、発信する側に変身するのだと思う。

つまりマイナスの時間軸、

この、音が鳴っていないフィールドこそ、

世界に音楽を送り続けているほんとうの場所なのだと思う。

どうか、

音楽を演奏したいと思うなら、

ぜひ、この場所まで飛び越えて来てください。

そこは音が鳴る前、

無音の世界に。