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トリニでスティールパン制作を学ぶ試み

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今年のトリニダード滞在で、わたしは新しい試みをしました。

今まで、トリニダード生活や観光のご相談とか、楽器の購入のお手伝いとか、バンド選びのお手伝いとか、自分のこと以外にもいろんな好奇心で他の日本人の方のお手伝いをしてきましたが、

今回、初めて、トリニダードスティールパン制作を学ぶためにトリニダードに滞在する方のお手伝いをしました。日本にはまだまだチューナーと呼ばれるスティールパン制作者が足りません。チューナーがたくさんいれば楽器の調律が狂ったときのことを心配する必要もないし、中低音のスティールパンは輸入コストがかかるために日本で制作してもらったほうが安価です。

そうゆうわけで、日本にスティールパンチューナーが増えることを普段から願っているわたしにとっては、願ってもないご相談!できるかどうかはわからないけれども、これはやってみなくちゃいけないなーと思っていました。

今回、トリニダードに滞在されたのはトドさんとゆう、どちらかと言うと”おじさん”の部類の方(笑)です。お仕事のお忙しいなか、一念発起しての来訪となりました。

トドさんのご希望では最初「滞在期間も短いのでビルディング(パンをハンマーで叩いて一から作ること)よりチューニング(調律)を中心に学びたい」…とのことだったのですが、

わたしは「そんなのダメです!考え甘いです。パンを一度もイチから作らないで調律だけできるようになって帰っても日本のパン業界の人たちの(陰の)批判にさらされるだけです!パンがどんなふうに作られるかじぶんで体験してみるべきです、ぜったい!」

と、…年上の方にも関わらずほんとに偉そうにスミマセンでした(>_<)でもこの提案は間違っていませんでした(^_^)トドさんは今年ほんとに素晴らしい経験をされたと思います。

まず、チューナーの知り合いと言えば居候させてもらってるアンディニールズがいちばん身近なので、アンディに相談してみると、アンディもじつはビルディングは嫌いだ(笑)ってゆうことで、ビルダーのお友達、シェルダンさんを紹介していただきました。

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シェルダンさんの作業場は、ギルスティールパンショップのパンを作っているシェザンドにありました。じつは、トドさんが今回滞在しているのはバードソングとゆうスティールバンドが外国人メンバーのために用意している宿舎で、そこはなんとその作業場のあるキュレップとゆうバスターミナルを挟んで斜め向こう側くらいにある、歩いて通えるほど近いところにあったのです。

シェルダンさんは、まーまー訛ってるけど年配のチューナーさんたちに比べたら標準英語に近いので、聞き取りもそれほど難しくない方でした。これがめちゃくちゃ訛ってると、せっかく教えてもらってもほとんどわからない、聞き取れないとゆうことになってしまうので、ひと安心しました。

今回、トドさんのためのカリキュラムとして、1個のドラム缶の表裏を使って、シングルベース(シングルパンのときに使う6音のベースです)とテナーパン(おっ!いきなりテナーパン作るんだ!!)を作ることに。初日からさっそくハンマーを使ってドラム缶を凹ませていくシンキングの作業に取りかかっていました。

作業は朝9時から午後2時くらいまでだったそうです。そうは言ってもトリニタイムとオールドトーク(雑談)などでぜんぜん作業を進めてくれないときもあったそうですが(笑) それでもトドさんはそんな先生を気長に待ちつつコツコツ作業されていらっしゃいました。そんなこんなでカーニバルが近くなるまでの2週間くらいかけて、この2つのスティールパンを仕上げたそうです。プリチューンとゆう予備調律と楽器を焼いたところでこの作業場での作業は終了。シェルダン先生のレッスンは、ここまでです。

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その次のレッスン、チューニングはアンディが教える予定だったのですが、アンディがアルバに出張になってしまったので、代わりにショーウィンさんとゆうチューナーを紹介していただきました。ショーウィンさんの仕事場は、セントジェームスのパワースターズのヤードにあります。

このチューニングの作業をするまでは、トドさんが作った2つのスティールパンは、んー、まーまー、はじめて作ったわりには良くできたかな…(^_^;)くらいだったのですが、最終日の1日前に様子を見に作業場まで足を運んでみてビックリ!

テナーパンが、えーーーーー、はじめて作ったとは思えなーい(゚▽゚*)!!!ってゆう仕上がりになっていました!!カランコロンってゆう昔風のスティールパンの音じゃなくて、ちゃんとポワンポワンってゆうスティールパンの音になっています!!!こんなのが3週間ほどで作れちゃうんだったら、わたしも挑戦したいかもー…(体力的にめっちゃたいへんそうだけど)って、ぐらっと心が揺らいでしまうほど。もちろん先生が側にいて手直しをしつつではありましたが、ちゃんと最後までトドさんご自身がチューニング作業をしてここまで仕上げていたので、それはほんとにすごいことだと思います!!!

これはぜひ!これからもたくさんの日本人の方に経験していただきたい!!

カーニバルや自然の観光だけでなく、パンプレイヤーやソカダンサーだけでなく、まさに新しい分野のトリニダードでのアクティビティとしてぜひぜひプッシュしていきたい!!そんな可能性を感じたのです。

もうひとつのシングルベースは、まー、そこそこなかんじの仕上がり(^_^;)、ベースはベースらしいチューニングをするための倍音の取り方が独特なのですぐには習得できないものだそうですので、1ヶ月の滞在ですぐにスティールパンを作れる人になれる訳ではありませんが、こうやって先生にマンツーマンで習うことができれば、ここまでのことができるんだ!とゆうのは今までもあまり知られていないことだと思います。

かかった費用も、先生にお礼金を失礼にならない程度に包むくらい。あとは材料費、ドラム缶代が少しかかりました。ハンマーや道具も買ったりするともう少しかかるかもしれませんが、滞在したお部屋代が格安だったので(このことについてはまたバードソングのことをブログに書いたときにご紹介しますが…)ぜんぶで10万円くらいだったと思います。トリニダードへの飛行機代と現地の生活費と合わせて、そんなに資金がない方にでも手が届く予算なんじゃないかと思います。なにしろ自分ではじめて作ったスティールパンを2つお土産に持って帰れるのだから、楽器の値段を考えればすごくお得なのではとも思えます。

もし、これを読んで、または以前からスティールパンを作ってみたい!と夢を抱いていた方がいらっしゃれば、ぜひご相談ください!

今回わたしもいろいろ経験させていただいて、だいたいどんな流れでどんなことが必要なのかも掴めてきましたので、ここで終わってしまってはもったいない!来年以降も、ご希望の方がいらっしゃれば、スティールパン制作を学ぶ機会をご紹介していきたいなーと思っています。

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