棚ぼたチャンプスインコンサートその2
さて、チャンプスインコンサート当日です。衣装はふりだしに戻って予選のときと同じ黄色のTシャツ。でも、ファイナルのときの帽子もかぶるのでチャンプスだけのスペシャルヴァージョンです。前日にもリハーサルがありましたが、ミーティングも含めて2時間程度、10時過ぎには終わってしまう簡単なものでした。今まで毎日、長時間の練習を続けてきたこともあって拍子抜けしてしまいます。当日も忘れたところを思い出すだけのリハーサルで、ナイジェルさんからキビシイ注意を受けたり、スムースマンから新しい注文がつけられることもなく、ただ彼らも暖かく穏やかに見守っているだけの練習でした。そんなゆるさからかメンバーの音もフワーっとリラックスしています。
あれー?チャンプスってこんなもんなのかなー???と、思っていたのですが…
それはさておき。前日に欠席していたメンバーも当日にはほとんど揃っていて、いなかったのはイギリスやアメリカから参加しているようなメンバーだけだったと思います。ただ、わたしが楽器を吊っている4番ラックにはそんな頼りになる外国人の大人メンバーが多かっただけに、こんなんでラックをサバンナまで運べるのか心配だったのですが、
なんと!今までずーーーーーーっとメンバーの選考から落ちていた子供のメンバーたちが、みーーーーんな揃って4番ラックに楽器を吊っています。それが、ほんとにうれしかった。よかったねー、キミたち!!今までがんばって練習してきた成果をようやくサバンナのステージで披露できるね!!
みんなリハーサルからキャッキャッ騒いで誇らしそうな表情です。そんなキッズメンバーのはしゃぎっぷりとは裏腹に、セクションリーダーのブリントンが何回も心配そうに4番のあるバックラックに確認しに来ては、並び順を変えてみたり、ボーイズたちに「おまえたち、いっしょに叩くんだぞ、助け合えよ、いいな!」とか諭したり、いつも無口な男前キャラが子煩悩な若お父さんに変貌してるギャップがステキ(笑)でした。
リハーサルが終わって、サバンナまでラックと楽器を運びます。いつもはセミファイナルとファイナルの2回だけなのに、今年は3回もラックを押してサバンナに行くなんて…、ちょっとうれしい!!でも道はすいてるし、サバンナに到着しても、セミやファイナルの夜のようなごった返したかんじがありません。今日、ここに集まってこれるのはパノラマやカーニバルで勝ったバンドだけ。いつもなかなか前に進まないサバンナの入り口も屋台にパラパラとたむろする人々を横目にザクザクと移動できます。
サバンナでは、ドラッグ(サバンナのステージに上がるまでの公園内の道)でスタンバイしている各パノラマの優勝バンドがリハーサルをしていました。他のカテゴリーの優勝バンドをまともに身近で聴けてなかったので、出演の順番待ちにじっくり聴くことができました。そして、そうこうしてるうちにようやくマスカレーダーのおじちゃんおばちゃんたちも徐々に集まってオールスターズのまわりはにぎやかに。
スモールカテゴリーのチャンピオン、スーパーノバ。レネゲイヅと同じアレンジャーさんで、レネゲイヅのアレンジとシンクロしてるのが面白かった。でもDVDにはならないのでほんとにここだけ、残念…。少し遅れて発売されるCDには収録されると思うので、ぜひ聴き比べてください。
そしてラージのチャンピオン、余裕ぶっかましてドヤ顔のフェイズIIのメンバーたち。
火曜日の衣装、セーラーおばちゃんたち。こんな夜遅く(午後10時くらい)にサバンナに来るとは…
月曜日の衣装、トロピカルフィエスタがテーマです。
わたしたちの出演順はフェイズIIの手前、去年ピープルズチョイスだったサウンドスペシャリストとおなじ順番です。ステージに上がる前もまだまだリラックスムードでお互いに写真を撮り合いっこしたり和気あいあい。わたしも、本番前なのにスムースマンと記念撮影↑してしまいました! こんなこと余裕なくてパノラマのときにはぜったいできない…
出演順が来て、オールスターズのラックをステージにセッティングすると、いつもと違って、ステージを後ろから観る(お祭り騒ぎの)観客席であるノーススタンドがなくなっているんです。万年バックラックのわたしは、ノーススターンドのパーティーピープルに応援され続けて演奏してきたのでちょっと寂しい。でも、代わりにステージを正面から映す巨大スクリーンの壁ができています。スクリーンにはリアルタイムで今のフロントラインのメンバーの表情が映し出されています。巨大スクリーンの真ん前にわたしはスタンばっているのでみんなの顔もすごく大きい。
オールスターズを紹介するアナウンスが会場に流れ、オールスターズの鐘でカウントが鳴り響きます。ここはいつものオールスターズとおなじようにみんなしっかり意識を集中させています。そして、カウントから曲がはじまったとたん、
スパーンッと抜けきった爽快な爆音があたり一面をガツンと支配したかと思うと、
メンバーみんなが急にはじけまくってジャンプアップしまくりです!
そしてみんなちょーうれしそー、はじめから終わりまでいろんなメンバーと目がバチバチ合って、みんなでヨロコビを分かち合って、
審査がないから演奏はリラックスしまくりだけど100%出し切ってる、リラックスしてるからこその軽さと鋭さでダイナミックにうねうねしながら音が放射状に空間を駆け抜けて行きます。
これぞオールスターズ!!スリリング、楽しいっ!!!
待ち時間に疲れきって演奏したファイナルとは大違いだ。今日はぜーんぜんハードな練習してないからコンディション良過ぎ(笑)
そしてチャンプスでもう1回、2ヶ月ほど毎晩練習してきたこの曲を、みんなで叩ける。
審査があってこそのパノラマだけど、そこを超えてきたバンドだけが味わえるチャンプスでの演奏、審査がないってなんていいんだろ〜( ̄▽ ̄)
これなんだなー、チャンプスって。
パノラマに"優勝して"演奏できてたらどんなによかっただろー、パーフェクトだったのに…
でも、それはわたしの次の目標にします! 次は優勝してチャンプス!そこを目指してまたトリニダードに通い続けます!!
演奏が終わったのはもう夜の11時を過ぎていました。
マスカレーダーのおばちゃんたちはもう疲れきってるけど笑顔で満足げな表情を浮かべながら、明日は赤ちゃんみたいに1日じゅつ寝るわーって、話していました。
サバンナからヤードまでラックを運ぶのもボーイズたちがチカラ有り余って張り切りすぎて、ベースラックとうちのラックと、チェロのちっこいラックで競争みたいになって最後に走り出したので、もーついていけなーいって思って運ぶの任せました。じぶんで最後まで運ばなかったの初めてかもしれない。
優勝できなくてアフターカーニバルは暇かもーって思ってたけど、
念願のチャンプスをようやく経験できて、ほんとよかった。
今年のカーニバルをハッピーに締めくくることができて、ほんとにしみじみありがとう。
そんな気持ちを込めて、最後のヤードの写真をパチリ!
オールスターズがいちばんオールスターズらしい演奏だったこの夜の余韻にいつまでも浸りたい気持ちでした。