レインメロディ
セミファイナルの前日だったと思うけど、練習の休憩時間にデカいスピーカーで音楽をがんがんに流してたんです。
去年、優勝したから賞金で↓のDJするミキサーみたいなのと、イベント会場にあるみたいなスピーカーを買ってもらったらしく、めちゃ臨場感あるサウンドでソカとか流したりしてるんですが、
最初のうちは最新ヒットチャートのソカを流してたんですが、
そのうち、オールスターズの過去のパノラマチューンをいろいろ流しはじめたんです。
音響がいいから、ヤードで演奏してるような錯覚に陥りそうなかんじで。
ほとんど優勝した曲を流して士気を高めようとゆう試みだと思うんですが、
優勝はしなかった(2位だった) "レインメロディ"とゆう曲を流しはじめたんです。
この曲は、わたしがスムースマンのアレンジの中ではいちばんスキな曲。この曲のパノラマファイナルの音源がCDになっていて、
それを日本の自宅でヘッドホンで聴いてて、その芸術性の高さにもう、度肝を抜かれた作品でもあります。
その、小さなヘッドホンで聴いてた音が、今、録音ではあるけれども、それが実際に生まれ練習を繰り返し演奏されていた場所で、大音響で響いてる。その中にわたしがいて、それを作ったアレンジャーさんがそこにいて無邪気に夜食なんか食べてる。
曲は終盤にさしかかり、急展開する手品の種明かし的な驚きに満ちたフレーズに突入して、何回も聴いてるはずなんだけど、大音響で聴くとあらためてそのアレンジの巧妙ぶりにたましいを持っていかれちゃう。
その天才的な仕掛けを作ったまさにそのヒトが目の前のそこにいて、これをかつて演奏してたヒトがまわりにいて、
いつのまにか、あこがれだった世界のど真ん中にわたしがいることに気づいて、
ほんとにウルっとしました。
何も知らないままスキになったふしぎなひとつの楽器が、こんなに高い芸術性を生みだす創造の源までわたしを導いてくれるとは、ほんとにその時は想像すらできなかったです。
ただスティールパンのひと粒の音色に無性に強烈に魅了された高校生だったわたしに、
あなたには素晴らしい未来がほんとに待ってるんだよ、楽しみにしててね、って言ってあげたいです。
↑の写真はラジオのインタビューを受けるアレンジャーのスムースエドワードさん。オールスターズのヤードにて。